進行性の疾患がすべてそうであるように、依存症も早期の治療開始が、回復率を上げる鍵となります。否認の病気といわれる依存症の場合、本人が病識を認めるよりも先に、家族や身近な人々がその悲劇の始まりに気がつきます。しかし、愛する人々の温かい言葉や厳しい助言でなんとかなるような物ではありません。依存症者と暮らすご家族は、その中で地獄の苦しみを味わいながら、思い悩み、傷つき、絶望の中で孤立してゆきます。それは底の見えない、果てしないらせん階段を転がり落ちてゆくようなものです。世界中で数百万人のアルコール依存症を回復に導いたアルコホリクス・アノニマス。テキストであるビック・ブックにはこうあります。

「他人の人生を巻き添えにして巻き上がる竜巻のようなものだ。心は傷つき、優しい人間関係は死に絶え、愛情はとっくにひからびた。」

結果として、依存症は、本人だけではなく、出口の見えない迷路の中で、もがき苦しむ家族や友人達をたくさん巻きこみながら、もろとも奈落の底へ落ちて行くという光景を、世の中のいたる所で作り出します。このような地獄の苦しみを毎日のように味わっている依存症の家族は、依存症者の数を凌ぐほど存在するのではないでしょうか。愛する人が病魔におかされながら変わっていく姿を、悲しみに打ちひしがれ、しかしなす術もなく、ただただ過ぎて行く日々。やめさせようと、ありとあらゆる手を尽くした末、疲れ切って燃え尽きてしまった家族たち。依存症は、その人を思いやる感情や愛情を通して伝染する残酷な病です。そして、家族やパートナーも依存症者と共に病んでいくのです。

インタベンション(介入)とは何か? 私たちは『ご家族の否認をとき、本人の‘底つき’のお手伝いをすること』だと考えています。多くのご家族は依存症という病気を知らず、本人の意思の問題だと思っている。依存症という病気があると分かってはいるが、病気への正しい対処法を知らない。苦しみの中にいるご家族はこれらの場合がほとんどかと思われます。そのために同じ事をくり返してしまっているのに、違う結果を求めてしまう。このような事態に陥り、依存症の問題を長引かせる原因になってしまいます。まずご家族に対し正しい知識や正しい現状認識をお伝えし、その対策法をご提案いたします。そしてご家族と一緒に、本人の‘底つきの底上げ’を行い、無事に治療施設へ繋がることになれば、付き添いなどのフォローアップをいたします。 もし、その場で施設へ繋がれなくても、家族プログラムをご提供させていただく事により、まずはご家族が平安の日々を取り戻すことに、力を注ぎます。後に本人にとって新たな機会が訪れるまで、継続してセッションを行います。

生死の間を彷徨っていた数えきれない依存症者が、インタベンション(介入)により、素晴らしい回復を遂げてきました。インタベンションとは膠着状態にあるご家族とご本人の間に介入、治療施設に繋げるお手伝いをすることです。また、家族にも癒しが必要であり、ここまで家族プログラムが充実している法人は他に類をみません。私たちの施設スタッフは、依存症先進国アメリカで経験豊富な専門家から介入のトレーニングを受け、膠着状態の中で苦しむ家族の悲鳴に応えながら、日本で介入のノウハウを積み上げてきました。機は熟しました。これまでの成果をもとに、沢山の苦しんでいる依存症者と、その家族やパートナーを依存症という緩慢な自殺行為から救い出したいという思いを持っています。

依存症におけるアディクションインタベンショニストとは? What’s Addiction Interventionist?

インタビューアー ワンネスグループ代表 矢澤祐史 スペシャルインタビュー Special Interview

私たちが考えるインタベンションとは The intervention that we think

特任講師 Featured Instructor

薬物、ギャンブル、アルコール依存症回復のエキスパート ONENESS GROUP 一般財団法人ワンネスグループ

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